九州大学 法務統括室

卒業生インタビュー:仮上峻介さん

2022.10.11

今回は、昨年度まで法務研修生として活動し、今年4月からは、自動車メーカーの法務部にて働き始めた、仮上峻介さん(GVプログラム4期生 2022年3月卒業)に、法務統括室での研修や現在の仕事についてインタビューを行いました!

仮上 峻介 KARIUE Shunsuke

経歴

九州大学法学部(2022年3月卒業、GVプログラム4期生)

Q.現在の仕事は?

自動車メーカーの法務部で働いています。勤務地は栃木なんだけど、日頃作業着を着てるから、スーツとかずっと着てないですね(笑)

仕事内容は、米国PL訴訟の開示・証言対応を主にしてます。

Q.訴訟の開示・証言対応って、具体的にどういうことをしているんですか?

PL訴訟って、主にアメリカが多いんですけど、その訴訟で開示する書類を、現地法人の人たちに送ったり、抗弁ストーリーを考えたり、証人の手配をしたりしています。

PL訴訟のほとんどは、アメリカだから、基本は現地法人が対応するんですけど、裁判するためには、開示する資料の準備をしないといけない。だから、現地法人から研究所のある日本に対して、こういう書類を送ってくださいとか、技術的な質問をしてきたりとか依頼がくるんです。それを受け取って、日本語にして、研究所の人に聞きに行ったり、こういう書類を出してくださいって依頼をする、そして集めた情報をアメリカに送るのが、自分の仕事って感じです!

それとか、法廷で証人として日本の技術者の方が証言することもあるんですけど、その人たちは裁判には慣れていないから、裁判での発言とかのレクチャーをすることもあります。

Q.法務統括室での研修を振り返って、現在の仕事に役立ってることとかありますか?

アメリカとのやりとりが主な仕事で、基本全て英語だから、法務統括室で、英文契約書を審査したり、理系の先生の英語の研究の周辺情報を集めたりして、慣れていてよかったと思いました。今、法務部とはいえ、研究所の人に技術的なことを質問して、それを現地法人の人に伝えないといけないから、知らないことを英語で学ぶっていうことは、法務統括室で自分の知らない分野の情報とかを見ることと似てるし、それにアレルギーがないっていうのは、役に立ってるのかなって思います。

あと、英語でのビジネスメールの書き方とか、電話の取り方とかもかな(笑)

Q.法務統括室での研修で、印象的だったことはありますか?

ある契約書をレビューした時に、これは学生の目からしても明らかに修正しないといけないところがたくさんあったことです。それで法務部の重要性を再認識しました。

あと、実際に研究者の方のところ佐藤さんと一緒にヒアリングに行ったこともですね。いつもは研究計画書とか契約書とかだけを見るけど、やっぱり直接先生から技術への思いを聞くことで、契約書の裏にある背景情報をしっかり理解することができました。

契約書の裏では、誰かが何かをやりたいっと思ってるから、契約書が大事なんだなって思いました。

Q.大学での学びと法務統括室での学びの違いってありましたか?

法律論的にはあっていても、ビジネス的に考えたらベストではないことが多くありました。

契約法の授業では、ビジネスの観点からではなく、法律論として学んでいたから、法務統括室では、法律を学ぶというよりは、法律を活かすという感覚を学びました。

理系のことを法律面からサポートするから、課題協学ってこういうことをしたいんだろうなって思いました(笑)


2022年9月28日実施
インタビュアー:田中(GVプログラム4期生)、実施形態:Zoom